ワンネットシステム株式会社

カスタマイズ事例

CASE02

小学校~大学の同窓生データを名寄せし、学園全体で卒業生を管理するケース

経緯

大学、中・高、小学校の各同窓会ではこれまで内部進学者を別々の卒業生として管理してきたため、学園全体でユニークな卒業生を把握することができなかった。

そこで学園がそれぞれの同窓会に働きかけて、内部進学者の情報を共有することで、更新された内容がすべての同窓会に連携されるシステムの検討が進められた。ただそれぞれの同窓会は、独自の規約に基づいた活動を行っているため、これまで通りの活動を継続できることが新たなシステムの条件であった。

これまで学園から卒業生に寄付依頼を郵送するためには、各同窓会から集めた卒業生の名簿を手動で名寄せして一人の卒業生に同じ郵送物が送られないようにする必要があり、大変な手間がかかっていた。そこで、卒業生情報の一元管理は長年の課題となっていたが、学園が全卒業生の情報を一手に管理するには限界があり、学園が各同窓会と共同で管理できるシステムの構築を目指すことになった。

構築したシステム

  1. 全卒業生データから内部進学者を特定し、それぞれのデータを集約して最新の値を持った一人の卒業生データに名寄せする
  2. 名寄せされた卒業生のみで構成される学園卒業生データを作成する
  3. 学園卒業生データと各同窓会の卒業生データを紐づけ、いずれかで更新された内容を他にも連携できるようにする
  4. 前日に更新されたデータを自動で収集して、更新内容を他のシステムに連携して自動更新する
1.内部進学者を名寄せ一人の卒業生データにする

各同窓会システムに登録されている卒業生を氏名や生年月日、住所、電話番号など様々な条件で一致する人物を見つけて内部進学者を特定する。

次に、それらのデータから項目ごとに最新のデータを収集することで最新の情報を持つ内部進学者データを生成した。

2.ユニークな卒業生から成る学園データを作成する

名寄せされた内部進学者と名寄せされなかった卒業生から成る学園全体でユニークな卒業生データを作成した。

3.学園データと同窓会データとの紐づけ

学園卒業生と各同窓会の卒業生に共通キーを付けて紐づけた。

中・高を卒業後に大学に進学した卒業生は、学園データと中・高同窓会データ、学園データと大学同窓会データが紐づけられる。

4.連携データの自動更新

夜間に前日更新されたデータを自動で収集し、共通キーを元に連携先のデータを更新する。

中・高の卒業生データが更新された場合は、最初に学園データが更新され、次にその学園データと連携する大学データも更新される。ただし、更新されるのは前日に更新された項目のみでそれ以外の項目は更新されない。双方で更新された場合も最新の値だけが連携される。

何れかの同窓会で新たに卒業生が登録されると、学園データに同一人物が存在する場合はそのデータに新たな卒業生を紐づける。学園データに同一人物が存在しない場合は、その卒業生を学園データに登録する。

システム構築により得られた成果

  1. 学園全体の卒業生を一元的に把握できるようになった。
  2. 学園から卒業生に同じ案内が郵送されることが無くなった。
  3. 何れかの同窓会でデータを更新すると学園データが更新され、その卒業生が内部進学者の場合は他の同窓会のデータも自動更新される。
  4. 各同窓会と学園で独立したPalSyneを構築することで、それぞれのPalSyneは独自の項目と機能を持ち、各同窓会では自由度の高い運用が可能となった。
  5. 学園と各同窓会は常に最新の卒業生情報を利用できるようになった。

今後の課題

既存データはシステム構築時に名寄せを行ったが、その後住所が判明した場合などに新たな同一人物が判明する可能性があるため、データを定期的に精査して名寄せする必要がある。

(2023年開発)

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