かつては毎年の卒業生の情報は大学から校友会に提供されていたが、卒業時に学生から一律に同意を得ることが難しくなった。そのため、4, 5年前からWeb上の入会フォームや文書による入会届などを使って校友会が独自に卒業者から入会希望を受け付ける必要が生じた。またその場合、卒業後の入会者が真の卒業者かであるかを毎回大学に問い合わせる必要があり、校友会だけでなく大学においても大きな手間となっていた。
そこで、学生の入学時に大学が校友会への情報提供の可否並びに校友会への入会希望を調査して、同意する入学生の情報は校友会に提供されることになった。これにより、在学中の学生の情報は毎年校友会に提供されることになり、校友会はその情報の保管、更新を行うと同時に、学生が卒業後も校友会はその情報を利用できるようになった。
また大学でも、校友会が管理する卒業生データベースを利用して、卒業生に向けた情報を発信できるようになり、大学と校友会による共同利用の形態が生まれた。
大学から月一回在学生の情報が校友会にエクセルで提供される。その情報には学生の住所変更などの他、進級、入学、卒業の情報も含まれ、校友会データベースの学生の情報と比較して追加、更新する。
この処理は、新たな仕組みを構築せずに手作業と従来からあった一括登録、一括更新の仕組みを利用することにした。
校友会から大学に提供する情報を夜間にデータベースから自動で抜き出して、その情報を検索、参照、ダウンロードができるシステムを開発した。大学はこのシステムを使用して最新の卒業生データをいつでも利用できる。また、在学生についても大学から月に一度提供される学生データがそのシステムに反映される。
校友会は入学時に同意した学生の情報だけを利用できる。一方学生は、大学が運営するシステム上で自身の個人情報を変更でき、もし学生が校友会で自己の個人情報を利用しないよう選択した場合は、大学側で校友会データベースに登録されたその学生の個人情報を削除することができる。
現段階では学生データは大学側から月1回エクセルファイルで提供され、校友会職員がマンパワーで校友会データベースに反映しているため、校友会職員の負担は大きい。将来的には可能な作業を自動化して省力化を図ることが望ましい。
(2023年開発)