大学、中・高、小学校の各同窓会ではこれまで内部進学者を別々の卒業生として管理してきたため、学園全体でユニークな卒業生を把握することができなかった。
そこで学園がそれぞれの同窓会に働きかけて、内部進学者の情報を共有することで、更新された内容がすべての同窓会に連携されるシステムの検討が進められた。ただそれぞれの同窓会は、独自の規約に基づいた活動を行っているため、これまで通りの活動を継続できることが新たなシステムの条件であった。
これまで学園から卒業生に寄付依頼を郵送するためには、各同窓会から集めた卒業生の名簿を手動で名寄せして一人の卒業生に同じ郵送物が送られないようにする必要があり、大変な手間がかかっていた。そこで、卒業生情報の一元管理は長年の課題となっていたが、学園が全卒業生の情報を一手に管理するには限界があり、学園が各同窓会と共同で管理できるシステムの構築を目指すことになった。
各同窓会システムに登録されている卒業生を氏名や生年月日、住所、電話番号など様々な条件で一致する人物を見つけて内部進学者を特定する。
次に、それらのデータから項目ごとに最新のデータを収集することで最新の情報を持つ内部進学者データを生成した。
名寄せされた内部進学者と名寄せされなかった卒業生から成る学園全体でユニークな卒業生データを作成した。
学園卒業生と各同窓会の卒業生に共通キーを付けて紐づけた。
中・高を卒業後に大学に進学した卒業生は、学園データと中・高同窓会データ、学園データと大学同窓会データが紐づけられる。
夜間に前日更新されたデータを自動で収集し、共通キーを元に連携先のデータを更新する。
中・高の卒業生データが更新された場合は、最初に学園データが更新され、次にその学園データと連携する大学データも更新される。ただし、更新されるのは前日に更新された項目のみでそれ以外の項目は更新されない。双方で更新された場合も最新の値だけが連携される。
何れかの同窓会で新たに卒業生が登録されると、学園データに同一人物が存在する場合はそのデータに新たな卒業生を紐づける。学園データに同一人物が存在しない場合は、その卒業生を学園データに登録する。
既存データはシステム構築時に名寄せを行ったが、その後住所が判明した場合などに新たな同一人物が判明する可能性があるため、データを定期的に精査して名寄せする必要がある。
(2023年開発)